肩に乗る巨人たち
WordPressのメジャーリリースには、ジャズミュージシャンのコードネームがついています。この連載では、ジャズ初心者のわたしがその名前をひとつずつたどり、1曲だけ聴いて感じたことを書き留めます。新しい番号から、過去のバージョンへ遡っていきます。
WordPress 7.1「Mary Lou =メアリー・ルー・ウィリアムズ」
- リリース日:2026年8月19日
- 主な変更点
- 画面幅ごとのスタイル調整が、CSSを書かずにできるようになった
- 画像編集が専用エディターになった(切り抜き・回転・反転、AVIF/HEIC対応)
- ブロックが2つ増えた。Playlist(プレイリスト)と Tabs
この記事を書いている約2週間前にリリースされたことになりますね。
歴代のコードネームを眺めて
WordPressを使ったウェブ制作に携わっていた経験があるので、メジャーリリースにジャズミュージシャンの名前がつけられているのは知っていました。
この記事を書くにあたり、改めて一覧を見てみると知っている名前もあれば知らない名前も混じっていて、この人は後者のほうでした。
最初に謝ります。わたしはメアリー・ルー・ウィリアムズのことは知りませんでした。ファンの方、本当にごめんなさい。
選んだのはこの1曲
執筆をサポートしてくれるAIの帆に「こんな記事を書きたいけどどうかな?」って相談したところ、4曲候補を挙げてくれて、その中でも「Roll ‘Em」を推してきたので、それを選び、すぐにSpotifyで検索して聴いてみました。
体が勝手に動くような曲ですね。シンプルながらも力強いピアノで「ジャンジャ、ジャンジャ、ジャンジャ、ジャンジャ」ってリズムがいい。足を動かしたり、指で机を叩いたりと自然とリズムを取りたくなるわたし好みの曲でした。
しばらく聴いていて頭に浮かんだのは、チャック・ベリーの『ジョニー・B・グッド』。映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でマイケル・J・フォックス演じるマーティがダンスパーティーで我を失って演奏して会場が引いていたあの曲。
それで『ジョニー・B・グッド』との関連を調べてみたら、「ブギウギ」という共通点が見えてきました。
ブギウギについても調べてみると、
ピアノによるブルースの演奏形式で、左手で一小節八拍のリズムを繰り返しながら右手で旋律を変奏するもの。一九二〇年代にシカゴの黒人ピアニストによって創始された。ブギ。
出典:明鏡国語辞典 第三版
「ジャンジャ、ジャンジャ、ジャンジャ、ジャンジャ」は、1回が2拍、4回で8拍、ちょうど1小節。『Roll ‘Em(1937年)』から約20年後に発表された『ジョニー・B・グッド(1958年)』が、楽器は違えど自然と体が動くブギウギ・ピアノのリズムに似ているとは、聴き比べるまで気付きもしなかったよ。
彼女にまつわるエピソード
メアリー・ルー・ウィリアムズは、ピアニストであり、作曲家、編曲家と多才な人で、紹介している『Roll ‘Em』は自分のためでなく他人の楽団のために書いた曲でした。
WordPress 7.1のリリース文(公式ブログの記事を日本語訳)を読んでみると以下のようなことが書かれています。
6歳で人前で演奏を始めた神童だった彼女の影響力と功績は、スウィング、ビバップ、セイクリッド・ジャズを経て、ジャズのほぼすべての主要な時代に及んでいます。その間もずっと、彼女は自身のサウンドを絶えず再構築し続けました。
セイクリッド(sacred)の意味は初めて知ったし、ジャズにそんなジャンルがあるのも知りませんでした。
宗教的な価値のあることを表す語。神聖であること。
出典:大辞林 第四版
また、彼女の自宅アパートにセロニアス・モンク、ディジー・ガレスピー、バド・パウエルら(この3人の名前聞いたことある!)が夜な夜な集まって音楽談義に花を咲かせて切磋琢磨していたと思うと、後世に名を残すような人たちは認めあい、いいものを作るエネルギーに満ちていたんだろうな。想像するだけでその場の熱気が伝わってきますね。
番号と名前を並べてみる
前述のセロニアス・モンクは、WordPress 3.0、バド・パウエルは4.2のコードネームとして採用されていて、これから辿っていく先の面々が、彼女の部屋に集まっていたのは何か出来過ぎのようで、連載の1本目としては、いい景気づけになったかも。
おまけのもう1曲
オアシスの2ndアルバム『(What’s The Story) Morning Glory?』のタイトルに似た『What’s Your Story Morning Glory』が候補にあって、本当はそっちを選びたかったのはここだけの話。こちらの曲はスローでしっとりとした曲調で、週末の夜にリラックスするのにお勧めです。
わたし自身の、このところの音楽に対しての向き合い方はカジュアルに「消費」するものとなって久しいのですが、この記事を書くために同じ曲を何度も繰り返し聴いたのはいつぶりだろうか。
ジャズに興味はあっても、CDを買うまでにはいたらなかったものが、Spotify(サブスク)で手軽に聴けるのはありがたいし、ジャズに限らず、前に比べていろんな音楽に触れる機会が増えたのは確かなんだよね。
さて、次回は「WordPress 7.0 ルイ・アームストロング」です。うん、この人は知ってるよ。
